
IT業界はビジネスや生活に密接にかかわっている分野です。
しかし、どんな仕事をしているのか、業務形態はどのようなものか、分かりにくいというイメージを持っている方も少なくありません。
- ITとWebの違い
- Web業界の実態
- IT業界の実態とその将来性
こういった内容について説明します。
また、ITとWebの違いも一見すると分かりにくいので、転職する際にはこの点に注意が必要です。転職時の参考にしてみてください。
IT業界とは?
まず、ITという言葉の意味を正しく理解しましょう。
ITとは「Information Technology」の略で、日本語にすると情報技術となります。
情報技術とは、ネットワークなどの情報を処理する技術全般のことを指します。
IT業界は情報技術を利用したサービスを提供する企業の集まりで、主に4つの分野で構成されています。
それが、ハードウェア、ソフトウェア、情報処理サービス、インターネットの4つです。
ハードウェアは、パソコン本体、パソコン周辺機器、スマートフォンといった機械本体を指します。
情報処理サービスは、課題を分析し、システムの企画や立案を行うサービスです。
このために必要となるプログラムの開発やハードウェア、ソフトウェアを選び、ニーズに合わせて導入します。また、情報処理サービスは導入後のシステム運営、保守まで行います。
また、インターネットは名前の通り、インターネットを利用した様々なサービスを提供するものです。
この中でも、企業向けサービスと個人向けサービスの2つに分けることができ、それぞれのニーズに合わせたインターネットサービスを提供します。
これら4つを一つにまとめたのが、IT業界と呼ばれるものです。
ITとWebの違いについて
大きな違いは?
分かりにくいのがITとWebの違いです。
ITは先述の通り、情報技術を用いて様々なシステムやインフラを構築するものです。
一方、Webは、販売用や集客広告などのインターネットWebサイトを作るものです。業界外の方にとってより身近なのがWebですが、Webを作るためにはITが必要となります。
仕事内容の違い
ITとWebでは仕事内容も大きく異なります。
IT業界は分野ごとにより細かく仕事が異なりますが、おおまかにまとめるとソフトウェア開発を行い、システムの運営を継続して行います。
このため、専門的な技術が必要となります。プログラミングもWebと比べて専門的な言語が必要で、転職の際はこの技術の証明が必要です。
企業や分野ごとで求められる技術力も異なるので、何が求められるのかをしっかり調べましょう。
Web業界は、主にサイトの構築を行います。
更に、顧客獲得や販売促進のためにクリエイティブな仕事が求められるので、プログラミングにプラスして創作力も必要となります。
ただし、Web業界で求められるプログラミング技術は比較的簡単なものです。専門的な知識を持っている方は優遇される傾向にあります。
また、仕事の依頼が広告代理店から入ることが多いので、Web業界と広告代理店は密接な関係にあります。
作業期間も違う
仕事のスパンも異なります。IT業界はシステムの導入から保守まで、一つの仕事が長く続きます。運営のために便利なツールを作り、運営と保守を続けていく中でよりクオリティをアップさせていきます。このため、IT系の仕事はいずれも長く続きます。
片や、Web業界はサイトを作れば終了なので、仕事のスパンは短めです。仕事内容にもよりますが、おおよそ数か月で一つの仕事が終了します。
年収が違う
年収も大きく異なります。IT業界は専門的な技術とレベルの高い知識が必要となります。このため支払われる給与も多く、一般的な年収は600万円と言われています。
Web業界はIT業界と比べ高いレベルの技術や知識は求められないので、一般的な年収は400万円と言われています。その上、仕事の単価もWebサイトであればページごとの単価で計算されます。
このように、一見すると似ている二つの業界ですが、中身は大きく異なります。
簡単にまとめると、技術者がコツコツと仕事をするのがIT業界、外部との交流が多くクリエイティブで華やかなのがWeb業界です。
年収も大きく異なるので、転職をする際はこの点も注意しましょう。
IT業界の実態は?
IT業界は技術の進歩と共に、拡大し続ける市場が特徴です。
このため、人材も常に求められており、慢性的な人手不足に陥っています。
企業によっては毎日激務や残業が当たり前で、これが原因で体を壊してしまう方も少なくありません。
ただし、業務形態の管理をしっかり行っており、人材も十分な大手企業であれば残業や激務は心配ないと言えます。
とは言っても、IT業界に転職する際は仕事量に注意が必要です。
募集要項に残業時間は記載されていますが実態は異なる場合もあるので、企業の口コミサイトを確認するなど事前調査が必要です。
また、専門的な技術者が多いIT業界ですが、営業やマーケティング部門、事務や管理職は文系の方が多く勤めています。
文系だからといって諦めず、募集要項にマッチするかまずは確認してみましょう。
Web業界の実態は?
IT業界と同じくWeb業界もニーズが多いので、その分仕事量も多く人手不足に陥っています。
一方で、IT業界と比べ未経験でも積極的に採用を行っている企業が多いので、転職しやすい業界とも言えます。
また、クライアントの広告代理店との交流が多く、相手の要望に合わせた仕事が求められます。
ニーズを正しく分析しアウトプットする力が必要で、相手とスムーズにコミュニケーションをする力も重要視されます。
専門的な技術と勅使が求められるIT業界と比べ、広い視野、柔軟な思考を持つ方が重用されます。
IT業界の将来性は?
技術の進歩と共に常に変化していくIT業界は目まぐるしい世界です。
その中でよく話題に上がるのが、IT業界の将来性です。
IT業界は成熟化と多様化が同時に進んでおり、最初期に比べると成長が難しい状況になっているという見方があります。
ただし、成熟化していると言ってもまだ新たなビジネスチャンスの可能性はあります。
これをいかに上手く発掘できるかが課題点です。
働く側の勤務形態の問題も、課題の一つです。
これは、企業ごとに改善する必要がありますが、業界全体で大きな動きも必要とされる重要な問題です。
この点が改善されなければ人手不足は深刻化していくばかりで、いずれ業界全体に悪影響を及ぼすと考えられます。
このように問題点は多々ありますが、ITはビジネスや生活において必要不可欠な技術です。
今後、ITが担う役割は更に増加していくと考えられているので、将来性は十分にあると言えます。
ITとWebの違いをしっかり把握して転職をしよう
上記のように、ITとWebには大きな違いがあります。
仕事内容、求められる人物像、年収などが異なり、更には、企業によっても細かく違いがあります。
ただし、いずれの業界もビジネスや生活に密接に関わっているもので、ニーズも多く人材を求めている企業も多くあります。
専門的な技術を持っていない方、文系の方も活躍しています。
このように、転職の窓口は広い業界なので、仕事内容や給与、勤務形態や賞与などをしっかりと調べて、自分の働き方に合った転職先を探してみましょう。